ごみ発電の
地産地消学習支援プログラムについて

 当センターでは、環境省の委託調査の成果として、ごみ発電の地産地消学習支援プログラムの普及啓発に向けた支援活動を行っております。

    【支援内容】
  • プログラム内容の情報発信、普及啓発
  • プログラムの実施を検討する自治体等への個別対応
  • プログラムの実施支援(要望に応じてプログラム内容をカスタマイズする等)

1.プログラムの目的

 ごみ発電は、地域から排出されたごみを有効利用した電力であり、地域の生活とのつながりが深いという特徴を持っています。
 ごみ発電の地産地消学習支援プログラムは、“地産電源であるごみ発電の仕組みを理解し、ごみ発電電力を大事に使う”をテーマに、児童生徒を対象としたごみ発電の地産地消に関する学習の促進を目的として作成されたプログラムです。

ごみの排出とごみ発電電力の循環

2.プログラムの流れ

 本プログラムは、講義、日常チェック、グループワークの3つステップで構成されています。
 それぞれのねらいと内容、所要時間については以下のとおりです。

プログラムの流れ

ステップ1 【ごみ発電の特徴を知る】

■ねらい■
ごみ発電の仕組みと電気の需給バランスの必要性等について講義形式で説明し、知識レベルでの認識を促します。
■内容■

  1. 発電の仕組みを知り、いろいろな発電方法やごみ発電の特性(他の発電方法との違い)を理解します。
  2. ごみ発電電力が小中学校に送られていることを知り、ごみ発電の供給電力量と小中学校での消費電力量との需給バランスについて学習します。
  3. ごみ発電電力を大事に使うために自分たちでできることについて考察します。

■想定所要時間■
1校時(45分)

ステップ2 【電力の観察】

■ねらい■
ごみ発電供給電力量と学校の消費電力量との需給バランスを日常的に観察することにより、電力を意識した生活を促します。
■内容■

  1. ごみ発電の発電電力量と学校の消費電力量がリアルタイムで表示される(見える化される)タブレット端末を教室内等に設置します。
  2. 児童は、電力量等を朝の会等でチェックし、その変化を観察します。

■想定所要時間■
1日当たり3分程度
1週間継続して実施

ステップ3 【体験ゲームによる学習】

■ねらい■
 本プログラムのために企画考案されたゲームキットを用いて、ごみ発電の地産地消の一連の流れをゲーム形式で仮想体験します。
 このゲームを通して、ごみ発電の地産地消の仕組みの理解を促すとともに、“地産電源であるごみ発電電力を大事に使う”ために自分たちにできることへの気づきを促し、今後のごみ分別や省エネ行動への動機づけを行うことをねらいとします。
■内容■
複数のチームに分かれてのチーム戦形式で行います。
詳しい内容については動画をご覧ください。(視聴時間:約15分)


■想定所要時間■
2校時(90分)

3.プログラムの実施実績

(1)福島市

 平成27年度に福島市の小学校において本プログラムを用いた学習を行いました。
(環境省委託業務「平成27年度福島市における廃棄物発電のネットワーク化に関する実現可能性調査委託業務報告書」(URL: http://www.env.go.jp/recycle/report/h28-06/index.html)より抜粋)

<実施概要>
 福島市では、平成27年4月よりごみ発電施設の電気を市立小中学校等71校に送る「あらかわクリーンセンター発電電力の地産地消事業」が始まりました。福島市の児童が自分たちで使う電気の由来や仕組みを学び、エネルギーに対する理解を深めてもらうことを目的として本プログラムを用いた学習を行いました。

実施時期 平成28年1月29日(金)~2月9日(火)
対象校 福島市立吉井田小学校
学年 5学年
人数 71名(3クラス)
内容 ステップ1(講義)電気の仕組みと自分たちの生活との関わり
ステップ2(日常チェック)学校に送られてくる電気と使われている電気の量
ステップ3(グループワーク)ゲームで学ぶごみ発電
<実施の様子>

<実施の結果>
プログラムの実施後、児童から以下のような感想を得ました。

  • ごみをきちんと分別すると、貴重なエネルギーになるということがこの学習を通してわかった。
  • いろいろな発電のことが分かり、小学校がいつもどれだけ電気を使っているかも分かった。これからはこまめに電気を消すようにしたい。
  • ごみの分別をしないと、発電も(うまく)できないし、自分でやったことが、そのまま自分にかえってくるようなので、ちゃんと分別したいと思った。
  • ごみ発電のゲームでは、最初は急いで分別したので発電が少なくなってしまったけど、2回目は分別の表を見ながらやったので、発電量がぐんと増えた。分別をしっかりすればするほどごみ発電を大切にすることにつながるのかなと思った。
  • このゲームでごみ発電のことがよく分かった。

参考:福島市ホームページ「平成27年度 吉井田小学校のごみ発電の地産地消を学ぶ学習について

プログラムに関するご質問等は下記までお問い合わせください。

(2)佐賀市

<実施概要>
 佐賀市では、市町村合併後に統合された清掃工場で生み出されるごみ発電電力の増加を背景として、清掃工場で生み出された電気(再生可能エネルギー)を市内の公共施設に供給する取り組みを進めています。本プログラムを活用した環境教育を実施することにより、市民の環境教育の推進に寄与することを目的として実施されています。

実施時期 平成30年度~
対象校 佐賀市内の市立小学校
学年 4学年
プログラムのアレンジ ①リサイクルポイントの設定
 佐賀市で力を入れて取り組んでいる3R推進の観点を盛り込めないか検討しました。ごみ発電の地産地消の評価を行う場面で、「リサイクルポイント」の概念を導入し、ごみの分別で資源物を的確に分別できたチームを評価できる形にしました。
②ごみ分別区分等の反映
 佐賀市のごみ分別区分に基づいたごみ分別カードを用意し、特にペットボトルのラベルを取って出すなどの特色ある取組を反映しました。
③対象児童・実施時間等に合わせた工夫
 4年生を対象としたため、用語の解説やサポートスタッフによる補助の充実等の工夫を行いました。
 また、プログラム全体を90分(授業時間2校時分)で実施したため、ステップ3(ごみ発電デンキのしくみ体験ゲーム)を中心に、一部ステップ1の内容を取り入れるなどした圧縮版のアレンジを行いました。
<実施の様子>

(令和元年度実績より)

<実施の結果>
プログラムの実施後、児童から以下のような感想を得ています。

  • ごみ処理場は、ごみを処理しているだけだと思っていたが、佐賀市の小中学校で使うほとんどの電気が発電されていると知ってびっくりした。
  • 掃除の時は電気を消したり、扇風機は使わないで窓を開けて網戸にするなどして、電気を節約したいと思った。
  • 話で聞くよりもゲームでやった方が楽しいし覚えやすい。すごく分かりやすくていい考えだなと思った。またやりたい。
  • ごみを出す日にも工夫があって、ごみの清掃工場にもたくさんの工夫がありすごいと思った。
  • ごみの分別をすると処理もしやすいことがわかった。
  • きちんと分別してごみを集める人たちが困らないようにしたい。
  • 今日学んだことを家で話して、家族にもごみはきちんと分別するように言おうと思った。

プログラムに関するご質問等は下記までお問い合わせください。

お問い合わせ

総局 資源循環低炭素化部 企画・再生可能エネルギー事業課
TEL:044-288-5093  FAX:044-288-5217

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