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2023/12/11

お知らせ

令和5年度外来性アリ同定研修会開催

 12月1日、当センター及び(公社)日本ペストコントロール協会の共催で「令和5年度外来性アリ同定研修会」が開催されました。当センター東日本支局(川崎市)内ホールで実施され、害虫駆除業者12名が参加しました。研修会は終日に渡り、環境省外来生物対策室の田中室長補佐と東京都立大学大学院客員研究員の寺山博士より講義いただきました。田中室長補佐からは、外来生物法の概要と改正や実際の対策、ヒアリを発見した際の連絡窓口等の情報をご提供いただき、寺山先生には、生態や国内外での発見状況等のアリの概論に関する講義や同定実習を行っていただきました。
 外来性アリは、国外から持ち込まれる貨物に付着し、国内に侵入する可能性が示唆されています。外来性アリには、毒を持っている種や増殖力の高い種があり、人体や生態系へ影響を及ぼします。このようなことから、ヒアリ関連業務は増加すると思われ、同定可能な人材の育成を推進し、早期の発見及び対応に資するため、本研修は開催されました。
 同定実習は、受講生一人一台の顕微鏡が用意され、実際にアリの標本を見ながらヒアリやアカカミアリの特徴を確認しました。また在来性アリを用いた標本作成も体験しました。

田中室長補佐の講義の様子
田中室長補佐の講義の様子
(環境省が取り組んでいる対策や普及啓発について紹介いただいた)

寺山博士の講義・実習の様子
寺山博士の講義・実習の様子
(標本を顕微鏡で拡大させ画面に映し、特徴的な部位をわかりやすく示している)


アリの標本
アリの標本

アリの標本(個体サイズは非常に小さく、根絶することの難しさは容易に想像できる)


アリの標本
アリの標本

実習の様子(当センター職員が直接指導を行った)


ヒアリの同定プロセス(抜粋)

働きアリ同定フローチャート

※「ヒアリ同定マニュアル Ver.3.0」働きアリ同定フローチャートを参照

 ヒアリはまだ国内に定着していませんが、港湾での発見が相次いでおり、早期発見後の対策や、初期の狭い分布段階での対応が重要になります。当センターでは、本研修会以外にも、環境省から委託を受け、「ヒアリ等の非意図的外来種侵入対策に関する普及啓発業務」を実施し、国内での周知に貢献しております。
同定について詳細はこちら 「ヒアリ同定マニュアル Ver.3.0」
https://www.env.go.jp/nature//intro/2outline/attention/file/hiaridoutei_Ver.3.0.pdf

ヒアリに関する最新情報はこちら 「要緊急対処特定外来生物 ヒアリに関する情報」
https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/attention/hiari.html