12月13日から12月15日にかけて、当センター主催の「第59回ねずみ衛生害虫駆除技術研修会」が開催されました。当センター東日本支局(川崎市)内ホールで実施され、3日間を通し、自治体関係者52人(対面とオンライン合わせた人数)が参加しました。
当センター職員及び外部の専門家が講師となり、1日目は感染症、衛生害虫防除、殺虫剤・殺鼠剤、衛生害虫によるヒトへの健康被害に関しての概論的な内容、2日目・3日目は個々の衛生害虫の生態や防除に関する講義を行いました。3日間を通して12講義行われ、最近韓国やフランスで問題になっているトコジラミについての講義も実施しました。
カリキュラムの詳細はこちら https://www.jesc.or.jp/training/tabid/212/Default.aspx
日本国内では、2014年以降、デング熱のような蚊媒介性感染症の大規模発生は確認されておりません。しかし、今後インバウンドの増加や気候変動による衛生害虫の生息域の拡大、国外から殺虫剤抵抗性の蚊の侵入等により、蚊による感染症以外にもトコジラミやマダニといった衛生害虫による被害の増加が懸念されています。
本研修会は、ねずみや衛生害虫駆除業務に携わる方や、これからこの分野の知識を深めたい方を対象に、基礎知識から最新の知見まで幅広く情報を得ていただくことを目的としております。
研修会の様子
トコジラミの防除について
ここでは、講義で取り扱った衛生害虫のうち、最近フランスや韓国での被害がニュースになっているトコジラミについて紹介します。
トコジラミは哺乳類の血液を餌とし、日本国内でも被害が報告されています。暗所を好み、日中は室内のありとあらゆる隙間に隠れ、夜間寝静まった頃に這い出て、人の露出した部分から血を吸います。確認されるトコジラミの9割程度が市販のピレスロイド系殺虫剤に対し抵抗性を持つスーパートコジラミです。
トコジラミがいるかも…と思ったら。
① 自分でできるチェックポイント
血糞のイメージ
卵のイメージ
② 当センターの関連事業
関連書籍の販売
「トコジラミ読本」販売中!
当センター職員も監修に関わり、トコジラミについて普及啓発を図るとともに、宿泊施設や一般家庭での対処法など新しい情報を盛り込んでいます。
販売サイトはこちら
https://jescbook.shop-pro.jp/?pid=86311271
関連試験の実施
環境生物・住環境部環境生物課では、トコジラミに関する問い合わせが増えており、関連する試験を実施しております。
当該部署の詳細はこちら https://www.jesc.or.jp/activity/tabid/101/Default.aspx
職員による自主研究
2021年度に、環境生物・住環境部職員による自主的な研究として、有機リン剤抵抗性トコジラミ類に関する研究の実績があります。
研究論文はこちら https://www.jesc.or.jp/library/tabid/156/Default.aspx