廃棄物処理技術検証事業

 廃棄物分野においては、循環型社会への加速やダイオキシンを代表とする有害化学物質に対する規制強化をはじめとしてより高度な技術開発がなされております。
 一方では、規制緩和の流れにより、国と自治体、企業、国民の役割分担の明確化が図られつつあり、廃棄物処理施設の国庫補助事業についても、国が定めた構造要件の「構造指針」が廃止され、新たに性能として要求すべき基本的事項のみを規定した「性能指針」が策定されました。
 これにより、技術の採択は基本的に施設を発注する側の責任と判断に委ねられることになりましたが、急速に発展している技術開発について、すべての発注者がその内容を正確に理解することは極めて困難であると言わざるを得ません。
 このような状況の中で、当センターは、民間企業等が開発した廃棄物に係る処理技術について、技術内容、関係法令や性能指針への適合性、試験運転の結果 などについて検証を行い、その結果を信頼のおける正確な情報として電子メディア等を通 じ広く一般に技術情報として公表することを目的とした「廃棄物処理技術検証事業」を進めています。

廃棄物処理技術検証結果

8.ASB(土壌微生物活性化)システムによるし尿処理技術

【番号】 廃技研第8号
【交付年月日】 2014年6月16日
【申請者】クボタ環境サービス株式会社 水処理事業部 技術開発G
〒111-0036 東京都台東区松が谷1-3-5
TEL:03-3847-3913 FAX:03-3847-3899

概要と特徴

詳細はこちら(PDF 732KB)

 本技術は、尿処理の分野において、腐植物質と天然ミネラルを水処理系に供給することにより、主にBacillus属細菌を優占化することで、汚泥沈降性の改善、汚泥脱水性の向上、汚泥発生量の低減、臭気の抑制等を促進する技術です。

規定の条件と運転方法で装置を稼働させることを前提として、水処理性能について汚泥再生処理センター性能指針(水処理設備)における放流水質の性状を満足すると同時に、以下の特徴を有している。

  • 汚泥沈降性が改善する
  • 汚泥脱水性が向上する
  • 汚泥発生量が減少する
  • 高濃度臭気が低減する

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7.感染性廃棄物の飛散流出防止装置付き減容梱包機

【番号】 廃技研第7号
【交付年月日】 2010年2月26日
【申請者】 ニッポウ興産株式会社

概要と特徴

詳細はこちら(PDF 883KB)

 本技術は、分別された感染性廃棄物を梱包用ドラム缶内で圧縮減容するにあたり、感染性廃棄物及びこれに付着した病原微生物の飛散を防ぐことを目的として、圧縮時のドラム缶の覆蓋や、ドラム缶内への消毒液噴霧及びドラム缶内空気の排気・殺菌の機能を減容梱包機に付属させたものです。

規定の条件と運転方法で装置を稼働させることを前提として、

  • 減容梱包機の稼働に伴う廃棄物の飛散流出防止が図られている。
  • 減容梱包機及び飛散流出防止装置の稼働に伴い発生する、悪臭、騒音、振動に関して、生活環境保全上の対応が図られている。
  • 減容梱包機の装置稼働に伴い排出される空気による人の健康または生活環境に係る被害を防止するため、病原微生物の飛散防止が図られている。

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6.水熱分解反応を用いたごみ固形燃料化技術

【番号】 廃技研第6号
【交付年月日】 2009年10月21日
【申請者】 クボタ環境サービス株式会社 事業推進部
 〒111-0036 東京都台東区松が谷1-3-5
 TEL:03(3847)3874,FAX:03(3847)3899

概要と特徴

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 本技術は、水熱分解反応を用いてごみ固形化燃料を製造するものです。水熱分解反応は、飽和蒸気によって加圧するとともに熱分解・加水分解を促進する技術です。

  • 安定した性状のごみ固形化燃料が製造できる。
  • 事前の破砕・選別工程が不要である。
  • 高発熱量のごみ固形化燃料が製造できる。
  • 周辺環境への影響の少ない処理技術である。
検証結果6の図

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5.MAP法によるリン回収資源化システム

【番号】 廃技研第5号
【交付年月日】 2004年2月23日
【申請者】 
 三機工業株式会社 、
 JFEエンジニアリング株式会社 、
 株式会社タクマ 、 東レエンジニアリング株式会社
 日立造船株式会社、 三井鉱山株式会社
 三井造船株式会社 、 三菱化工機株式会社
 ユニチカ株式会社

概要と特徴

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 本技術は、し尿および浄化槽汚泥を前処理する段階で、マグネシウム剤を添加し、アンモニアの存在下でし尿等に含まれるリン酸と反応させ、リン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)として回収、資源化する技術です。

  • MAPは原水PO4-P濃度の変動に対しても安定して生成され、リン回収を有効に行うことができる。
  • 回収したMAPは脱水性に優れており、水切り操作で含水率30%程度にすることができる。
  • 回収したMAPは「複合肥料の化成肥料」としての規格を満たしている。
  • 回収したMAPは、特に、く溶性りん酸の含有率が高く、その成分は、く溶性りん酸(P2O5)28%以上、アンモニア性窒素(N)5%以上、く溶性苦土(MgO)15%以上である。
  • リン回収設備後続の主処理、高度処理工程では従来と同様の処理ができる。
  • リン回収設備は設置面積が少なくコンパクトである。
  • 特殊な運転操作がないため、維持管理は容易である。

検証結果5の図

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4.ストーカ直結溶融炉による灰溶融技術

【番号】 廃技研第4号
【交付年月日】 2003年12月22日
【申請者】 
 株式会社川崎技研 
 営業本部 
 〒815-0035 福岡市南区向野1丁目22番11号
 TEL 092-551-2121 FAX 092-561-5100

概要と特徴

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 本技術は、従来方式のストーカ炉後段に酸素バーナ方式による灰溶融炉を設置し、ストーカ炉で乾燥・燃焼を行い、その後溶融炉にて灰を溶融する灰溶融技術です。

  • 焼却灰を冷却せずに溶融するので、焼却灰の顕熱が有効に利用できる。
  • 酸素バーナの使用により立上・立下が短時間であるので間欠運転が可能である。また、炉圧制御との組み合わせにより高温溶融が可能である。
  • 溶融炉排ガスはストーカ炉の排ガスと燃焼室で混合して排出されるので、専用の排ガス処理設備が不要である。
  • 焼却灰の前処理設備が不要であり、全量溶融可能である。
  • ストーカ炉と一体に溶融炉を運転するので運転人員の増加がない。
  • 溶融スラグは「溶融固化物の再生利用に係る目標基準」を満足する。
  • 既設のストーカ炉にも設置可能である。

検証結果4の図

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3.し尿と浄化槽汚泥からのアパタイト法によるリン回収システム

【番号】 廃技研第3号
【交付年月日】 2003年9月22日
【申請者】 
  浅野工事株式会社 、 アタカ工業株式会社 、
  株式会社荏原製作所 、株式会社クボタ
 住友重機械工業株式会社 、
  株式会社西原環境テクノロジー、
 三菱重工業株式会社

概要と特徴

詳細はこちら(PDF 286KB)

  本技術は、アパタイト法を用いて、し尿処理施設の生物処理水に残留する高濃度リン(PO4-P)を晶析物(ヒドロキシアパタイト:Ca10(PO4)6 (OH)2 )として回収し資源化する技術です。

  • 生物処理水中のリンを肥料として回収することが可能である。
  • 晶析物はリンの含有率が高く、有害物質の含有量が極めて少ない。
  • 晶析物は沈降性及び脱水性が良く、回収が容易である。
  • 膜分離および重力による固液分離方式に適用可能である。
  • リン回収設備は、小規模な装置で晶析反応を利用した物理化学的操作であるため、運転の停止や再起動のために複雑な手順を必要とせず、運転管理が容易である。
  • 生物処理水を原水とするため、生物反応槽の液温を有効利用でき、冬季でも安定した晶析反応を維持できる。
  • 生物処理の後段に設置されるため、生物処理に影響を及ぼすことはない。リン回収設備は適量のカルシウム添加とpH調整を行うだけであり、後段の物理化学処理は従来と同様な処理が行える。
  • 生物処理水中のリンを回収するため、後段へのリン負荷を低減でき、凝集分離設備の薬品量を削減できる。

検証結果3の図

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2.流動床式熱分解溶融炉によるごみ処理技術

【番号】 廃技研第2号
【交付年月日】 2001年7月9日
【申請者】 
 三菱重工業株式会社 
 環境装置第一部 環境装置一課 
 〒100-8351 東京都千代田区丸の内2-5-1
 TEL 03-3212-9545 FAX 03-3212-9776

概要と特徴

詳細はこちら(PDF 123KB)

  本技術は、流動床式熱分解炉及び旋回溶融炉の組み合わせによるごみ処理システムであり、流動床式熱分 解炉において、部分燃焼によりごみを熱分解・ガス化し、熱分解ガスと微細な固形粒子(チャー等)を発生させ、 これを旋回溶融炉において高温燃焼させ、灰分を同時に溶融処理する技術である。

  • ごみ質の変動に対応し、空気比約1.3で安定運転が可能である。
  • 熱分解炉の温度制御、旋回溶融炉の温度・酸素濃度制御等の自動運転が可能で、省力化が図られる。
  • 排ガス中のダイオキシン類濃度は、煙突出口で0.1ng-TEQ/m3N以下(O212%換算値)である。
  • 溶融スラグは溶融固化物の再生利用に係る目標基準を満足する。
  • 酸化物が少なく資源価値の高い鉄、非鉄金属の回収が可能である。

検証結果2の図

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1.エコバーナー式灰溶融設備による灰処理技術

【番号】 廃技研第1号
【交付年月日】 2001年3月26日
【申請者】  
 日立造船株式会社 
 環境・プラント事業部システム本部プロセス機器部
 〒559-8559 大阪府住之江区南港北1丁目7番89号
 TEL 06-6569-0148 FAX 06-6569-0165

概要と特徴

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エコバーナー式灰溶融炉の概要と特徴

  本技術は、マテリアルリサイクルが困難なプラスチックごみを、5mm以下に破砕し、そのフラフ状のプラスチックを、バーナー焚口に吹き込むことにより灯油代替燃料として利用する灰溶融処理技術です。
   溶融炉内に供給されたフラフはエコバーナーによって旋回燃焼し、炉内温度は1,400℃以上になります。 溶融炉内に供給された焼却灰は、溶融スラグとなって排出されます。 溶融炉からの燃焼排ガスは、ガスクーラで冷却され、エアヒータで熱回収された後、バグフィルタ、活性炭吸着塔を経由してクリーンな排ガスとして煙突から排出されます。

  • プラスチックフラフ専焼及びプラスチックフラフと灯油の混焼により焼却残さの安定溶融処理が可能である。
  • 燃焼管理および排ガス処理を適正に行うことにより、ダイオキシン類の排出基準を満足することができる。
  • 溶融スラグは「一般廃棄物の溶融固化物に係る目標基準(生衛508号)」を満足する。
  • リサイクルが困難な廃プラスチックを燃料として有効利用することで、経済的な運転が可能である。

検証結果1の図

お問い合わせ

総局 資源循環低炭素化部 企画・再生可能エネルギー事業課
TEL:044-288-5093  FAX:044-288-5217

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